微糖日記

好きなこと、日々のこと

文學界5月号 心霊特集読んだ日記

4月某日

文學界5月号を購入。最近ホラー心霊ブーム真っ只中とはいえまさか文芸誌で特集を組まれるなんて。怪談大好き人間としては買うしかないと丸善へ走る。

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実話怪談を読むことについて/藤野可織

最近YouTubeの怪談を家事をしながら聞くのが楽しくて時々感想コメントも見ているけれど、意外に多いと思ったのが「嘘っぽい」とか「この人の怪談ってできすぎてるし絶対創作」というコメントで、まず第一に実話を求めて怪談を聞いたことがないわたしからしてみるとそこ大事なんだ!?と思っていた。

怖くて不思議な話が大好きだから、真実のほどはどっちでも良かったと藤野氏も書いているように、わたしもロマンを感じつつも事実か否かには重きを置かず物語として楽しんでいるタイプだった。

だけど生きづらいこの世界で生きていくためには、まだ解明されていない法則が残されているという希望が必要なのかもしれない。

わたしがこれまで怪談に抱いていたのはそういう余白への希望を孕んだロマンだったのかも。

藤野氏おすすめ書籍「奇々耳草子 呪詛/我妻俊樹」が気になったので購入した。カバーこわすぎ。

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見える/マーサ・ナカムラ

こちらは完全に「見える」人のコラム。この話のような、今わたしがいる時間と外側(向こうからしたらこちらが「外側」なのかも)がふと重なった瞬間、という話が怪談ではいちばん好き。

今わたしがいるここだって、あちら側にとっての可視化された不可思議かもしれないと考えると、やっぱり怪談ってロマンだな、と抱きしめたくなる。

 

いとうせいこうの「悪霊」も、とてもとても良かった。

今回から始まった松尾スズキの脳が震える連載もおもしろかったのでまた来月も買おうと思う。